タイヤの基礎知識環境にやさしい低燃費タイヤ(エコタイヤ)とは
タイヤは主要素材にゴムを使っています。自動車がタイヤのグリップを利用して、走る、曲がる、止まるといった基本的な動作ができるのは、ゴムと路面で起こる摩擦を活かしているからです。しかし、この摩擦は走行抵抗のひとつである転がり抵抗となり、抵抗係数が高くなると燃費は悪化してしまいます。
転がり抵抗が低いということは、よく転がるタイヤであることを意味します。
転がり抵抗の高いタイヤと比べると、同じ燃料の量でもより遠くまで走ることが可能になります。
低燃費になれば、そのぶん自動車が使用する燃料の量を減らすことができます。燃料の量を減らせるということは、限られた資源である石油の消費削減につながります。また、エンジンの燃焼行程で発生するC02(二酸化炭素)の量も削減できます。低燃費タイヤ(エコタイヤ)は、環境負荷の低減に貢献するのです。
一般的に転がり抵抗の低減を追求すると、タイヤのグリップ力は低下します。2つの性能は相反関係にあります。しかし、最新の技術を組み込んだ低燃費タイヤ(エコタイヤ)は、その相反する課題を克服するために様々な工夫を実施。燃費性能を向上させながら、同時に高いグリップを確保するようにアレンジしています。
低燃費タイヤ(エコタイヤ)に本来の性能を発揮させるため、空気圧は1カ月に1度は点検しましょう。空気圧は走行していなくても、徐々に下がってしまいます。これはタイヤの分子構造より空気の分子のほうが細かいからです。低燃費タイヤ(エコタイヤ)は適正な空気圧で使用することが大切です。本来の性能をフルに発揮させ、環境にもお財布にも優しく、しかも安全な走行を維持するために、定期的な空気圧の点検を励行してください。
JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)が策定したグレーディングシステム(等級制度)で低燃費性(転がり抵抗性能)と安全性(ウエットグリップ性能)がそれぞれの基準値をクリアしているタイヤのことです。
この制度は、タイヤの「転がり抵抗性能」と「ウエットグリップ性能」をグレード(等級)分けしラベル表示することで、お客様へ適切な情報を提供できるよう、JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)が、2010年より業界自主基準として策定しています。
グレーディングシステムによる「転がり抵抗性能」の等級がAAA・AA・Aに該当し、「ウエットグリップ性能」の等級がa・b・c・dに該当するものだけに、この「低燃費タイヤ統一マーク」が表示されています。
詳しくは、JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)のホームページをご覧ください。
この制度は、タイヤの「転がり抵抗性能」と「ウエットグリップ性能」をグレード(等級)分けしラベル表示することで、お客様へ適切な情報を提供できるよう、JATMA(一般社団法人日本自動車タイヤ協会)が、2010年より業界自主基準として策定しています。
【転がり抵抗】
走行中にタイヤが損失するエネルギーのこと。
【転がり抵抗係数】
タイヤへの荷重に対する転がり抵抗の比率のこと。この値によって等級が5段階に分類されています。
【ウェットグリップ性能】
路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ力(制動時のグリップ力)のこと。
この性能によって等級が4段階に分類されています。
タイヤの燃費に対する寄与率は、クルマが一定速度で走行しているときで20~25%、加速抵抗が多い一般市街地で7~10%程度です。タイヤの転がり抵抗を20%低減した場合、寄与率を10%として計算すると、燃費が2%(20%x10%)向上することになります。
一般に、転がり抵抗とウエット時の制動距離の関係は相反するもので、転がり抵抗を小さくすればウエット時の制動距離は伸びる(悪化する)傾向にありますが、低燃費タイヤは、その安全性を確保するためにウエットグリップ性能の最低値を設定しています。
安心して快適に走ることができるということは、注意力の妨げになる余分なストレスがかかりにくくなるため、事故を未然に防ぐ1つの要因としてとても重要であると考えます。また、低燃費タイヤ(エコタイヤ)は、多くのユーザーに利用してもらうことで初めて大きな環境への貢献につながります。
そのためダンロップは、低燃費性能の追求と同時に、ふらつきの抑制や安定感といった操縦安定性、
偏摩耗を抑制し、ドライ&ウエットでのグリップ力といった走行性能を徹底追求しています。
右の映像は、エナセーブ RV503で行なった低転がり抵抗実証実験です。当社従来のエコタイヤと比較して、より転がり抵抗が抑えられていることがおわかりいただけると思います。
このようにダンロップは、低転がり抵抗を追求することによって、低燃費性能を実現し、環境への負荷を徹底して抑えることに力を注いでいます。
環境性能の指標として、転がり抵抗値、軽量化、耐摩耗性能などダンロップ独自の厳しい環境基準「eco line up」を設定しました。
2015年には国内で販売する市販用タイヤ※の主力商品は、全てこの基準を満たしたものとなります。
※対象品目は、国内市販用の乗用車、
バス、トラック、ライトトラック用です。