CONTENTS Vol.4

デザインに込めた機能と美学

“走る美学”は、機能と感性の交差点にある。

R/T01のデザインは、ただの造形ではありません。路面を掴む力、岩場を受け止める強さ、そして見る者に訴える存在感──すべては「機能美」という哲学に基づいて設計されました。立体的なサイドウォール、5リブのトレッド構造、中央に配されたクラシカルなロゴ。その一つひとつに意味と性能を込め、「履くことで語れるタイヤ」を目指しました。R/T01は、スタイルと走りのどちらも妥協しない人のための“走る意志”です。

Photographer:Fruolux / Hayato Tsuchiya
Writer:igrec,inc. / Sho Yamaguchi

R/T01のトレッドデザインは印象的ですね。最初に意識したのはどんな点ですか?

開発者:まず意識したのは「視覚的な信頼感」です。ラギッドテレーンという新しい領域で、オンとオフの両立を謳うからには、見た目からも性能が伝わることが重要でした。ブロックの厚みや構成はもちろん、立体感も重視しました。

ブロック形状にはどういった意味が込められているのでしょう?

開発者:大きなブロックが左右に分かれていますが、これはオフロードでのトラクションとオンロードでの接地安定性を両立するためです。中央部は細かく密度を持たせて接地性を高め、外側は掘削力を担っています。

サイドウォールの立体造形も迫力がありますね。

開発者:はい、そこはかなりこだわりました。サイドウォールは岩場などでヒットしやすいので、視覚的にも“守られている感”があるよう、立体的で堅牢なデザインに。さらにエッジを増やすことでオフロードでのトラクションにも貢献しています。

フォントやロゴも特徴的に感じました。

開発者:R/T01ではあえてDUNLOPロゴを中央に配置し、クラシックなブロック体で視認性を高めています。オーナーが「これはR/T01だ」と一目でわかるような、アイデンティティを込めたデザインです。

素材や成形技術にも関わる部分でしょうか?

開発者:その通りです。立体感のあるサイドデザインは、金型の精度とゴムの流動性を細かく計算して初めて実現できるもの。設計だけでなく、製造工程に関する打ち合わせもかなり綿密に行いました。

見た目と性能はどうリンクしていますか?

開発者:ビジュアルは単なる装飾ではなく、機能と連動しています。例えばサイドのリブ形状は、泥はけを意識した断面になっており、見た目のアクセントであると同時にセルフクリーニング性能も発揮します。

オーナーの満足度という視点では?

開発者:「履いていることが嬉しくなるタイヤ」になってほしいですね。街乗りでもオフでも、自分のクルマの足元に“説得力”が生まれること。それが所有満足度を高め、ブランドへの信頼にもつながると考えています。

デザインで一番苦労したのは?

開発者:やはり機能と美のバランスですね。ブロックを攻めすぎると騒音や偏摩耗が出るし、抑えすぎると印象が薄くなる。その加減を何度もシミュレーション・試作・評価・修正する中で、ようやく今の形にたどり着きました。

海外での評価はどうですか?

開発者:北米や東南アジアではビジュアルのインパクトが重視される傾向が強いです。その中で、R/T01の堅牢なデザインと性能のバランスは非常に高く評価されています。展示会でも注目されやすく、手応えを感じています。

最後に、R/T01のデザインに込めたメッセージとは?

開発者:R/T01は、冒険を支える信頼と、自分らしさを表現するアイコンであってほしい。道を選ばない性能と、選ばれる存在感。その両立を目指して、一本一本に“走る美学”を込めています。