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R/T01の開発背景と狙い
「オンもオフも見た目も妥協しないタイヤを探して。」
四駆人気の高まりとともに求められていた、オンとオフをバランス良くこなすタイヤ。その声に応えるかたちで生まれたのが、GRANDTREK R/T01です。ATの快適性とMTの走破性を高次元で融合させた「ラギッドテレーン=RT」という新たなカテゴリーに挑戦し、開発陣は理想の性能を徹底追求しました。
Photographer:Fruolux / Hayato Tsuchiya
Writer:igrec,inc. / Sho Yamaguchi


R/T01の開発がスタートした背景を教えてください。
開発者: GRANDTREKシリーズの中で、ATとMTの“中間”を担うモデルが必要だと以前から感じていました。昨今の四駆ブームも相まって、「見た目はオフロード寄り、でも日常も快適に走りたい」という要望が強く、そのニーズを満たす製品が不在だったという事がきっかけです。

具体的には、どんな使用環境を想定されたんですか?
開発者:例えば、平日は街乗りや通勤、週末はキャンプや林道といったライフスタイルですね。オンとオフの走行比率が6:4や7:3のユーザーが、過剰でも物足りなくもない“最適解”を求めていたんです。
それが「ラギッドテレーン(RT)」というカテゴリになるわけですね。
開発者: そうです。RTは“Rugged=タフ”で“Terrain=地形適応性の高い”タイヤを意味します。ATの快適性と、MTのグリップ・トラクション性能の“いいとこ取り”を目指したコンセプトです。

GRANDTREKにおける位置付けは?
開発者:PT5のようなオンロード寄りのモデルと、MT2のようなオフロード特化モデルの“中間”。ユーザーの選択肢を広げ、ブランド全体のカバレッジを補完する役割ですね。
R/T01の最大の特徴は?
開発者: はい、今回のR/T01では顧客のロングライフ要望に応えるため高い摩耗性能レベルを実現しました。特に「接地面圧の均一化」に注力しました。トレッドパターンには、ブロックの剛性バランスを整えるために5リブ設計を採用し、サイド部とセンター部の役割を明確に分けています。とくにオンロード領域では、接地圧が偏ると摩耗の早期進行につながるため、トレッド全体のたわみをコントロールすることが鍵でした。

開発初期で、苦労したことは?
開発者:やはり“いいとこ取り”という領域は、定量的な評価が難しいんです。トラクションを上げすぎると静粛性が犠牲になり、静粛性を取ればルックスやトラクションが落ちる。そのバランスを取るのにかなりの試行錯誤がありました。

試験はどのように行われたのですか?
開発者:今回のR/T01では、主に当社の岡山テストコースを使用して評価を行いました。テストコースは多様な路面を再現できており、オンロード・オフロード両方で、使用が想定されるシチュエーションの試験が可能です。トレッド・サイドデザイン、コンパウンド違いを組み合わせ、“いいとこ取り”を定量的に見極めました。

デザイン面での狙いも教えてください。
開発者:タイヤサイドのブランド名とパターン名には片面はホワイトレター、もう片面にはブラックレターを採用し両面で異なるデザインとしました。ユーザーの好みによって使い分けて頂けます。またサイドウォールは立体的なブロック形状と鋭角なショルダーで“MT風”のルックスに仕上げて力強い印象に、トレッドは5リブ構造で接地性と剛性のバランスを取っています。これにより、見た目はゴツっとカッコよく、そして高速域での安定性やオフロードでの路面追従性を実現しました。

商品名の「R/T01」にも意味が込められている?
開発者:はい。「01」というナンバーには、このRTという新領域への“はじまり”という意味を込めました。今後シリーズ化していく可能性もありますし、ブランドとしても新たな挑戦の起点となるモデルです。

改めて、R/T01をどんな人に届けたいですか?
開発者:アウトドアもタウンユースも両立させたい方。オフロードに踏み出したいけど、快適性は犠牲にしたくない。そんな人に、「まずはこれを履いてみて」と自信を持っておすすめできる一本です。
