20歳の誕生日を迎える日、突然母に誘われて天文台へ行くこととなった女子大生のゆい。
雪道の中、たどり着いた目的の場所で、ゆいは父と幼い頃、毎年誕生日にこの天文台を訪れて、天体観測していたことを思い出す。-
昔、ゆいが父と星を見る時、必ず行っていた儀式――北極星を捉えた後、「ロクロクヨンサンハチゴ」の場所に望遠鏡の目盛りを合わせる――すると、かつては見えなかった星が、なぜか今はくっきりと見えるようになっていた。
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亡くなった父からの手紙を母から渡されるゆい。
そこには、ゆいが生まれる前に20年周期の彗星を見つけたこと、その星を成人したゆいと見たかったこと、そしてその願いが叶わなくなることが記されていた。 -
「星って、発見者の名前が3人まで同時につけられるんだって。一緒に発見して、あなたへのプレゼントにしたいって」と語る母。
父からの“時間を超えた愛”に、ゆいは涙を流す。