車の重さやタイヤの種類、走行速度や路面の温度など、様々な条件の違いでメロディーの聞こえ方が変わるようです。そこで、開発者の篠田さんに、メロディロードを上手に楽しむためのコツを伺いました。
メロディーを上手に聞くためには、一定速度で走ることが一番重要。
途中で慌てて速度を変えたりすると、音の流れに変化がでてしまい、きれいなメロディーになりにくくなります。時速40km前後で、そのまま自然体で通過するのがポイントです。
メロディーロードは、道路に刻んだ溝にタイヤが接触した時に発生する音を楽譜のように並べたもの。なので、その接触の力が強いほど、つまり、車が重ければ重いほど大きな音が出ます。
またタイヤは、なるべく雑音が少ないもの、堅いものほどクリアに聞こえます。
さらに、路面とタイヤの温度にも影響を受けます。温度が低いと、タイヤも路面も堅くなるため、よりクリアに聞こえるようになります。
メロディーロードは、走る条件によってさまざまな音色になります。
道路から音が出るので、窓を開けてきこうとする方が多いのですが、実は、窓を閉めて社内空間全体に反響させた方が、よりきれいに聞こえるのです。
ビーナスリアンは、蓼科高原、八ヶ岳山麓、白樺湖、車山高原、霧ヶ峰、美ヶ原といった観光地を結ぶ人気の観光道路ですね。この一帯は高原と湖に恵まれた八ヶ岳中信高原国定公園。
中でも茅野市が抱える白樺湖と車山は、年間190万人の観光客を迎えています。とくに混み合うのが夏場。
休日ともなれば、あちこちで渋滞を起こすほどです。
渋滞から抜け出た時、運転者の方が急に速度を上げることが、いちばん心配されることです。今回、メロディーロードが設置されたポイントは、直線で登り勾配。視野が開け始める場所といえます。
しかも、昔の料金所があった関係で、道路幅が広くなっています。追い越しする車と、される車で、ちょっと危険場面もあろうかと思います。
渋滞が起きやすく、そのため渋滞から抜け出た時にはスピードを上げやすい。
そうした時、このポイントを走り抜けると音楽が聞こえる。と。この音楽にきづけば、茅野という観光地の思い出になるでしょうし、きっと忘れないですよね。音楽を聞いた人には、速度抑制も期待できると思います。
交通安全に対してどのように取り組まれているのですか?
交通事故を減らすことには、各警察署が取り組んでいますが、茅野警察署は、やはり観光道路の交通監視や指導・取り締まりに力を入れています。また、ボランティアである交通安全協会の方々が幹線道路でのぼりを旗を立てて注意を促したり、チラシを配る「人波作戦」などの活動を通じ、だんだん交通マナーが向上してきているように思います。
実際に、交通事故による年間死亡者数は激減しましたし、今年5~6月は「ビーナス作戦」としてパトカーの巡回や交通指導所を開設した結果、人身事故、物損事故が大幅に減りました。こうしたことを継続しながら、交通事故の総数を減らしていくことを考えています。
そうですね、目的地を目指して、急ぐ気持ちはわかります。でも、おや?と気が付いて、急ぐ気持ちをスローダウンさせる。それが安全で快適な運転になるのかな、と思います。ビーナスライン一帯は国内でも有 数の観光地です。都会では味わえない、美しい景色や新鮮な空気がある。これをじっくり味わっていただきたい。そのためには、ドライブはゆっくり、休憩はしっかりとって、長野県で昔からしたしまれてきたスローガン「ゆっくり走ろう信濃路を」の気持ちで、走っていただければ事故もなくなり、楽しい旅ができるのではないかと思います。