サイト内検索

  • タイヤの基礎知識はこちら

    タイヤサイズの見方、インチアップ、他
    タイヤの基礎情報でお困りならこちら。
    わかりやすく解説する動画も公開中!

    ≫ タイヤの基礎知識はこちら

上質の創造、感覚にぴたっと合う道具。

うぶけや 矢崎豊

Vol.08
うぶけや
矢崎豊Yutaka Yazaki

1953年東京都生まれ。24歳で研ぎ専門の工房「研勝」で修業を開始、現在「うぶけや」八代当主。ご子息が現在、研ぎの修業中。「あと5~6年もすれば一人前かな」

 東京・人形町にある刃物屋「うぶけや」。1783年に大阪で創業、江戸時代の末期に東京へ進出した。鋏はさみ、毛抜き、爪切り、包丁などの販売にあわせ、刃物の研ぎ直しも引き受けている。
「変な言い方だけどうちは駆け込み寺みたいな刃物屋でね、いろいろなところを訪ねたけど、理想のものが見つからない人がやってくるんだよ」
 矢崎豊さんは八代当主。店には紙切鋏、糸切り鋏など、たくさんの種類が置かれており、一つひとつの特徴を流れるように説明してくれる。
「うちの鋏はチョキチョキさせないで刃を下ろすだけできれいに切れるし、紙でも布でも、当てたものが動かない。切った感覚も気持ちいいでしょう」
 研ぎを始めて今年で40年、刃物の扱いは誰よりも熟知している。しかし、使い手の多くもまた職人。商品を最高の状態に仕上げるのが矢崎さんの仕事のひとつだが、それも一筋縄ではいかないという。
 「紙切り師の人は『紙を切るのは自分だ、鋏が切るんじゃない』って言うんだ。だからわざと切れ味が悪くなるようにネジを緩めたり、空打ちをしたりして、自分の感覚にぴたっと合わせる。
料理人も同じ。たとえば刺身に刃を入れるときも、すっと切れる包丁が好きな人と、一旦ぐっと入ってからすうっと切れるのがよい、って言う人がいるから、好みの切れ味になるようにそれぞれ調整して仕上げないといけない」

「うぶけや」の刃物を手にすると、これまでいかに余計な力を入れて道具を使っていたかに気づかされる。料理人、洋裁師など職人にとって刃物は、命の次に大事な存在。いったい、なにを基準に選べばよいのだろう。
「道具は、いまの自分よりもちょっとだけ背伸びをしたものを使うのが理想的。それ以上のものはいらないよ」
 磨き上げられたビジュアルと、性能の高さ。機能美を備えたダンロップ・ビューロもまた、クルマの理想の走りを追求するツールといえる。クルマにとってよき相棒になるはずだ。
 矢崎さんは店の裏の研ぎ場で、研磨する前の刃を手にしながら「職人」とはなにかを教えてくれた。
「職人っていうと錯覚する人もいるけど、ひねくりまわして、時間をかけて一つのものを仕上げるのは違う。研いでいるのは美術品じゃなくて道具。刃物だって最後は砥石で仕上げるわけだから、機械を使いながら、それまでの工程をいかに早くするか。1日に何本も均一に仕上げることを職人仕事って言うんだよ」

  • 刃物は回転砥石で肉厚を調整し、天然の砥石で仕上げる。10年の修業で基本は身に付くが、道具や砥石の研究などアレンジは尽きない。

  • 糸切り用、爪切り用など、握り鋏の種類はさまざま。使用後は乾いた布、または椿油を数滴垂らした布で拭いて、手入れをするとよいとか。

  • 屋号の「うぶけや」は、初代が打った包丁や鋏、毛抜きが「うぶ毛でも剃れる・切れる・抜ける」と評判だったことからつけられた。