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上質の創造、格好いいモノ
は便利ではない。

職人 菅野敬一

Vol.06
職人
菅野敬一Keiichi Sugano

1951年東京都生まれ。愛用のスリムポーターには、たくさんの染みや傷がある。「いつ、誰がこぼしたワインの染みかも覚えている。こういうのが好きなんだよね」

 誰でも買えるわけではないから、より欲しくなる。航空機の部品製作のノウハウを用いて、職人がフルハンドでつくるアタッシェケースや名刺入れ。エアロコンセプトの製品はロバート・デ・ニーロやジャン・アレジなど海外セレブの愛用者も多いがいつ、どんな商品が出て、どこで購入できるのかは、誰にもわからない。代表の菅野敬一さんは製品の売り込みも、宣伝も一切しないのだ。
「宣伝をしない理由は、ただ自信がないから。僕は好きなものをつくっているだけで、マーケティングやデザインの知識もない。それに、つくり手が『これ、いいでしょう?』って薦めるのはおかしいと思っていて。とにかく、手前味噌で自慢するのが照れくさいんだよね」
 精密板金加工工場の3代目である菅野さん。これまで歩んできた道のりは平坦ではなかった。得意先の不振によって巨額の負債を抱え、会社の経営が困難だったこともある。窮地に立つこともあったが、他会社からの航空機部品製造の依頼をきっかけに、なんとかもち直した。
「一度、窮地に立ったことで、これからは自分の欲しいもの、好きなものだけをつくろうと決めて」

 逆境を経てエアロコンセプトは創設された。最初の作品は図面を入れるスリムポーター。容量は少なく、開け閉めには手間がかかる。
「格好よさと便利さは両立しない。便利さを求めるほど精神は格好悪くなるし、持つ人の心意気とか思いやりが奪われてしまう気がするんだよね。効率やハウツーを求める世の中を否定はしないけど、自分は真逆をいきたい」
エアロコンセプトの製品は手に入れて満足するものではない。
「一生懸命つくるまでが職人の仕事。それを育てて、本当に完成させるのはお客さんなんだよ」
 真の上質な一品へと導くのは、それを使う人間なのだ。
 上質な走りを誇るダンロップ・ビューロ。よいタイヤとはなにかを問い続け、高品質な製品を実現させてきた。
上質なものづくりには、ユーザーへの想いと確たる技術力が欠かせない。
 菅野さんの頭の中には、新作のアイデアが3年先まで詰まっている。
「使う人が格好よくなるものをつくりたい。僕の製品でお客さんが喜んでくれるのならば、心を込めてつくり続けようって思う。やっぱり職人だからさ」

  • 特注のスリムポーターと名刺入れ。レザーのほとんどはイタリア製で、このスリムポーターには、入手困難な上質なクロコダイルを使用。

  • 手作業にこだわるのは、触れば1,000分の数㎜の誤差も気づくから。「強がりかもしれないけど、機械にできないことをやってこそ職人」

  • 航空機の部品と同じく、エアロコンセプトの製品はアルミニウムとジュラルミンでつくられる。穴は、軽量化と補強を図るためのもの。