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上質の創造、
極めた手から生まれる革新。

伝統工芸士 上川宗照

Vol.01
現代の名工
上川宗照Sosho Kamikawa

父である初代上川宗照に師事し、さまざまな金工技法を修業。
昭和52年に二代目宗照を継承する。
黄綬褒章や現代の名工、東京銀器の伝統工芸士など数々の称号をもつ。

槌

 手仕事とは不思議な仕事だ。それは、手と心がつながっているからだ。
 柳宗悦も著書で「手はただ動くのではなく、いつも奥に心が控えている」と語る。創り手と、使い手の心。手と手がつなぐ心の物語である。
 職人歴半世紀余、70歳を越えたいまもその手で丹精を込める「銀師(しろがねし)」の上川宗照さん。その工房は、東京・台東区の三筋にある。東京銀器と称せられる作品は、銀の地金を槌でひたすらに打ち込んでつくられる。板状の銀地金をぐい呑みや酒盃、急須へと絞り込むのだ。多種多様な当て台(地金の下に当てる)を使い分け、狙う角度で地金を打つ作業はまさに匠の技。一度打ち込まれた地金は硬くなるので、加熱することでやわらかくし(これを「焼きなまし」と言う)、打ち込みをつづける。地金の成形はこうした作業の繰り返し。これだけで数カ月を要することもある。そして成形が完成すると、加飾といわれる仕上げの作業。ゴザ目打ちや象嵌、鏡面研磨といったさまざまな技法を駆使し、ようやく作品が仕上がる。なかでも、器面に文様を埋め込んだようにつくり込む「打ち込み象嵌」といった技法は、いまではわずか数名だけが可能な、まさに上質を究めた技の集積だ。

槌
銀製品

 宗照さんは、江戸末期に活躍した名匠・平田禅之丞直系の継承者。11代つづく技をもつ。銀師を志したのは、16歳の頃。当時は粋な旦那衆が銀製品を持ち歩いていた時代。注文は、煙管(きせる)や根付けが多かった。その後、注文は、和茶器(やかんや急須)や洋茶器(ポットやカップ)へ。昭和30年代からは、ゴルフやボーリングのブームに応じて、優勝カップの注文が殺到した。だが、どの時代も宗照さんの仕事は同じ。基点は、あくまで使う人の思いにある。依頼主の注文に応 え、技のすべてを注ぎ、最後まで粘り、どこまでも満足しない。そうしたものづくりの心は、未来を見据えた創作でも変わることはない。たとえば、信楽焼との協働作業。陶器と銀器を融合させた酒盃は、銀器の味わいで熱燗を飲みたいという顧客の思いを匠の技で見事に実現している。使う人と創る人の心がつながるときに「日本のものづくりの幸福」がある。
 ダンロップ VEUROにも、そんな幸福が見える。ドライバーの思いに応える上質な走りには、職人たちの技を究めた、ものづくりの創造と革新が息づいているからだ。

  • 当て金

    先代から伝わる成形時に使う当て金。地金を載せ、上から槌で叩いて成形する。工房には、大きさや角度の異なる当て金がすらりと並ぶ。

  • やかん

    純銀製湯沸し(やかん)・鍛金技法を駆使してつくる高度な作品。修理修復を見据え、各パーツは別々につくって鑞付けされている。

  • 銀器信楽焼盃

    銀器信楽焼盃・宗照率いる工房による伝統技法をベースに取り組んだ新作。成形された信楽焼に銀器を結合させている。